個人情報利用の時代に必要なこと
最近、PayPayやLine Pay、楽天Payなどのキャッシュレス決済が熱いですよね。最近はキャッシュレス決済に関するニュースが多いので、?何かいろいろ変わってきた?と感じる方は多くいらっしゃると思います。
このキャッシュレス決済、個人情報の保護と切っても切り離せない関係なんです。今回のエントリーではキャッシュレス決済の時代に我々はどうするべきなのか?私が考えるサバイバル術について書いてみます。
個人情報は現代の石油
アメリカでは個人のデータ収集と分析、販売のビジネスが急成長しているらしいです。なんでも、このままの伸びが続けば、2022年には個人情報の売買がアメリカでの農業生産額を超えちゃうとか。すごいですよね。
アメリカは超農業大国のイメージだったのですが、2022年には個人情報売買の市場規模が農業生産を上回るなんて、信じられますか?以前からデータは現代の石油と言われていましたが、かなり真実味を帯びてきましたね。みなさんご存知でしたか。
日経の翻訳記事(元記事はイギリスのフィナンシャルタイムズ(Financial Times))の「データは資源 個人情報利用に対価を」を読みましたが、世界は大きく変わっているなーと改めて感じさせられました。自分なりにまとめるとこんな感じです。
・個人情報の利用を通じて、アメリカでは企業が日本円にして年間約8兆5000億円の収入を上げており、金額が2年間で44.9%増加した
・このまま伸びが続けば、2022年までに個人情報からあがる収入は米国の農業生産を上回ることになる
・個人情報はグーグル、フェイスブック、マイクロソフト、amazonなどの企業が中心となって管理し、ターゲッティング広告などで収益をあげている
・信用調査会社やクレジットカード会社などもあらゆるデータを収集し、自社でデータを集められない企業(小売業者、銀行等)にデータを販売している
・データをもとに人の動きを先読みすることは一般化しつつあり「監視資本主義」と呼ばれ、規制だけでは対応できない。そのためにアメリカでは個人情報の規制が検討されている
元記事は以下です。データは資源 個人情報利用に対価を
(ご参考:有料記事となりますが、日経はユーザ登録すれば月10本までは無料で記事を読めますので、ご興味がある方はご覧ください)
データ活用は世界の潮流
個人データを活用して収益を上げようとする動きはアメリカだけではありません。
特に、コード決済の先進国とも言われている中国では、国家ぐるみの戦略としてあらゆるデータ活用をおこなって、個人をスコアリングしてしまおうとする取り組みが進行中です。一番わかりやすいのがスマートフォンを活用したキャッシュレス決済です。
スマートフォンを活用すれば、メッセージアプリなどを使った集客ができ、支払いを現金なしのキャッシュレス決済ができます。また、その後にポイントを付与すれば自社の決済圏で別のおススメを提案することも可能。個人の購買履歴がわかれば、次にどのような購買行動をとるか予想しやすくなるんですよね。
さらに、購買履歴だけでなく、SNSと連携させれば趣味趣向はもちろんのこと、友人などとのつながりや友人の傾向からその人のペルソナが浮かび上がってきます。スマホの金融系アプリと連携すれば個人の貯蓄額や年収などがわかるので、社会的な信用度を点数化(スコアリング)できてしまうってわけです。
で、その人をスコアリングするきっかけとして、コード決済は最適なんですよね。だから日本でも様々な会社がたくさんのコード決済を流行らせようとしているのです。以前に記事にした「〇〇ペイ」と呼ばれる決済手段がたくさん出てきたのは以上のような理由からなんです。
利用者も便利だから使う、世界では現金が急速に使われなくなってきているのです。
不安に思うこと
コード決済になり、人が「スコア化」されてしまうことに不安を感じる人は多いでしょう。私もその一人です。自分のお買い物履歴を差し出すことを躊躇うことや、企業に自分が監視されているかもしれない、と漠然と感じる方も多いのではないでしょうか。
かくいう私も、つい先日に私は息子用のタブレット教材を購入したのですが、その際にPCを使っていくつか検索しました。すると、その次の週には複数のカード会社からタブレット教材の入会案内(ダイレクトメール)が届いて度肝を抜かれました。
日頃、私はあまり個人情報の活用に関しては、どちらかというと積極的に活用していくべきと考えていますが、そんな私ですらはっきり言って気持ち悪かったです。これからは、意識する・しないに関わらず日々の生活でこのようなことが起こってくるでしょう。
自分が次にアクションしようと考えていることを、機械に予測されるなんて気味が悪いし、人の購買力をスコア化されてしまうなんて嫌ですよね。あと、勝手に格付けするなよって思う人も多いと思います。
スコアリングされたくない人の防衛手段
では、自分のデータをスコアリングされたくない人は一体どうすればよいのでしょうか。仮に、購買履歴をデータ化されたくない人の防衛手段としては...
・個人の購買履歴をデータ化されたくないなら、通販サイトを使わずにリアル店舗ですべて現金で支払えばよい。これにより購買履歴をデータ化されることがない
・さらにFacebookなどのSNSなどは使わなければ、年齢・性別・友人の趣味趣向に連動したおススメの広告を回避できる。スマホのブラウザのキャッシュをクリアすることで、ターゲッティング広告を回避可能
・金融資産をスコア化されたくない場合は、銀行への貯金や借り入れをしないことで、スコア化をされずに済む
ただし、このような生活をしたところで、得られるメリットは少なくデメリットのほうが多いですよね。私はこの情報化時代にすべての情報を遮断することは、デメリットのほうがはるかに大きいと思っています。
コントロールされるより、お得に生きよう
我々消費者はどのようにすればよいのでしょうか。私の結論としては、現金社会に後戻りすることはないので、情報感度を高めて使いこなすことを考えたほうが良いと考えます。
いまは2019年10月の消費税率引き上げに伴う景気対策として政府が実施するキャッシュレス決済時のポイント還元の制度化に備えて、PayPay(ソフトんバンク系)、楽天やLINE、ドコモなど各社がその前哨戦を繰り広げています。ひとことで言うととってもおトクな状況なんです。逆に言うと現金でお支払いしている人は損をしているんですよね。
そして、日本ではまだコード決済の戦いは始まったばかりで、今年の秋が本番です。一歩が踏み出せないという方は、まずコード決済を試してみることから始めてみてはいかがでしょうか。コントロールされるより、お得に生きようじゃありませんか。
このゴールデンウィークに何か始めてみようと考える方はぜひお試ししてみてはいかがでしょうか